戦前の教科書 健康管理!自己管理! 「丈夫な身体作り」に対する現代教育との意識の違いに思う・・・今こそ『美しく強い国作り』が必要

尋常小学修身書

教科書から、戦前教育の根幹に身体を丈夫にするための「自己管理教育」を重視していることがよく分かります。それに比べ、戦後はどうでしょうか?戦後世代、医療費が掛かりすぎではないでしょうか?  ※令和2年度の国民医療費は 42兆9,665億円
もう一つ、戦前の教科書と現代教育の大きく異なる点は、戦前は個人と家族、地域、国家、世界、宇宙へと、「個人」は大きな共同社会へと繋がる存在であることを根底としています。家族の為、社会に役立つ為、立派な人間になる為、教育とはそのような人間を育てることが目的であり、教科書はそのような内容となっています。

この単元の冒頭に「世のため国のために尽くす」​​​とあります。互いにこのような心構えを備えた人と人とが協力し合う社会こそ、本来私達が目指す社会です。
そして、​そのような社会を築くためには、自己中心的な我欲を排除する力が不可欠です。つまり、美しいだけでは足りません。強くなければ何事も成就しないのです。今こそ『美しく強い国作り』が必要です。

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尋常小学修身書 巻五 大正10年発行  (​​小学5年生 道徳教科書)

​​​​​​第六課 衛生(その1)​​​​​​


子供が病気をすると、父母は大層心配します。我等が身体を丈夫にするのは、父母の心を安んずる始めです。身体が弱くて勉強が出来ないと、大きくなってから役に立つ人になれません。我等が健康で一心に勉強するのは、世のため国のために尽くす始めです。

身体が丈夫な人は元気が良くて、厚さ寒さに負けず、困難に打ち勝って、楽しく仕事をすることが出来ます。元気の良い人は気分が快活で、心持ち良く人に交わることが出来ます。楽しく仕事をして心持ち良く人に交わる者はきっと立派な人になれます。

家の人が皆丈夫で愉快に仕事に励めば、一家は楽しく暮らすことが出来て家は益々繁盛します。世の人々が皆健康で元気良く仕事をすれば、国民は幸福で国は益々盛んになります。

身体が​弱くて度々病気をするのは自分の不幸あるばかりなく、一家の難儀であり又国家の損失であります。

健康を進めるためには常に衛生の心得を実行することが第一です。身体は勿論衣服や住居を清潔にし、飲食物に注意し、食事や寝起きの時刻を正しくしなければなりません。良い空気を吸い、日光に当たることことは衛生に大切です。早起きして冷水摩擦や深呼吸をするのも大層良いことです。姿勢に気をつけ、元気よく体操や遊戯をし、又遠足などして、身体を鍛えるのは健康を進めるに大層益があります。

身体を鍛えれば、精神もしっかりとして来ます。精神がしっかりとして来れば、身体も益々健康になるものです。
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