戦前の教科書『虫干し』 お着物のお手入れは子供達の目には日常生活の当たり前の一コマだったのですね・・・。
最近和装に目覚めて、昨日は着物でお出掛けしてみました。一式母からの借り物と、着付けはyoutubeで見よう見まね・・・、何とか形になりました。自分でも着られることが分かり、和装への壁が大幅に下がりました。これを機に「和装でお出掛け!」今後も挑戦したいと思ってます。
尋常小學国語讀本 巻三 昭和3年発行 小学2年生国語教科書
22 虫干し
今日はうちの虫干しです。たんすやつづらから着物を出して、風通しのよいところに掛けてあります。
この黒い木綿の紋付きは私のです。そのとなりの五つ紋の羽織と縞の袴はお父さんのです。
そちらの幅の広い光る帯は姉さんので、幅の狭い黒いのはおばあさんのです。おばあさんはあれを締めて、よくお寺参りにいらっしゃいます。
それから、あの赤い襦袢は姉さんので、ねずみ色の紋付きはお母さんのです。こちらのかすりの筒袖は太郎の袷で、そのとなりのモスリンの袷は私のです。
私どもはあれを着て、おばさんの村のお祭りに呼ばれて行くのです。
教科書に出てくるモスリン、恥ずかしながら知りませんでした。メリンスは知ってますが、別名らしいです。
また、単衣と袷・・・。この意味も今回の着付けを通して知りました。
その他、つつそでとか。この教科書の単元を理解するだけで、着物通になれそうですね。
戦前はこの教科書に出てくる女の子のように、普段着や年代に合わせた装いや、お呼ばれの装いなど、装いで礼儀を尽くす精神が、自然な事として生活に根付いていたことに感銘を受けました。そして虫干しというお手入れを家族行事として、どこの家でも行っていたことを知りました。
戦前の教科書から、戦前の日常生活の様子や考え方を伺い知ることが出来るのは、とても楽しい発見です。
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